日 誌

スチールとワイヤーで造る門扉、フェンス

芦屋市の家で製作した門扉とフェンスは、できるだけ開放的な形で部外者の侵入を防ぐことに注力しています。柔らかく視線を遮る役目は植物に託し、今では活き活きとした庭となっています。

部材はスチールの溶融亜鉛メッキ仕上げと、フェンスなどに利用するワイヤーシステムの組み合わせ。詳細に設計してから現地で採寸し、寸法を図面に反映させることを繰り返します。ナナメの角度、敷地の高低差など、気を抜けない点が数多くあります。

意匠のポイントは、フラットバーの横桟とワイヤーの高さを徹底的にそろえること。これを実現するための「横桟の切り欠き」という結論に至るまで、けっこう試行錯誤しました。

門扉は袖にインターホンと、既製の郵便受け+宅配ボックスを組み込んでいます。鍵は両面をシリンダー(鍵穴)としています。


隣地側にも同じ仕様のフェンスをつくっています。端部はワイヤーの張力に耐えられるようダブルの支柱に。ワイヤー貫通部に合わせて縦桟のツノを出しているところも意匠上のポイントです。

横桟の切り欠きとワイヤー部材のおさまり


設計当初は焼杉のフェンスでしっかり庭を囲む予定でしたが、現場を進めながら関係者のみんなで打ち合わせを重ね、仕様を選んでいきました。その後隣地で続く芦屋市の家-2でもこの開放的な外構計画を連続させることになり、街区全体の開放感や彩りに寄与することになっています。