日 誌

戸袋

吹田のマンションリフォームでは、障子と襖を壁の中にしまい込んで隠せる「戸袋」を一部に計画しました。

和室の襖は、いわゆる昔ながらの紙襖で計画して建具の厚みを抑えて、戸袋もできるだけ省スペースにしています。まわりの枠と同じ材料で小さい蓋をつくっています。できてしまえば何てことない箇所ですが、目立たないように、まわりと馴染むように、結構試行錯誤している箇所です。

最初はひとりで「こうしよう」と詳細スケッチを描きだして、現場で監督さんや大工さんからも意見をもらい、建具屋さんにも細かい寸法を確認してもらって訂正を加え、ようやく材料の発注、現場での加工と進んでいきます。ここからやっぱり金物を変更したり寸法を微調整したりと、より良くなるように色んな方々の力を合わせて出来上がります。

「AIに仕事を奪われる」って本当かな?ここまでちゃんと奪ってくれるなら全然良いです。
特に手描きにこだわっている訳ではなくて、CAD図をベースに書き込むことも多々あります。手段は早い方、楽な方、伝わりやすい方で良いと思っています。


こちらは障子の戸袋。小さい扉は付けずに障子の戸尻に枠と同じ材料のフタを付けて、締めたときに戸袋内部がみえないようにしています。ここも現場で判断して色んな変更を加えて完成に至っています。



引いて見たときに障子の横桟の高さがキレイに揃うように、桟の高さは一番奥の既存腰窓の高さに合わせて統一しています。

新築でも改修でも不思議なことに毎回毎現場で状況が違う為に、このような詳細図面や資料はほとんど使いまわすことができません。考えることが多い故に単純なポカミスをすることもあったりして中々大変なのですが、うまく出来上がったとき、喜んでいただいたときの感動はいつもひとしおです。