日 誌

1台のエアコンで

摂津のマンションリフォームの空調計画について。

北側の共用廊下、南側にバルコニーの最もポピュラーなマンションの形ですが、マンション管理規約で「共用廊下側への室外機設置を禁止」されている為、昔ながらの窓付けの縦型エアコンを設置するか、エアコン無し…というのが周囲の一般的な状況でした。

夏は年々暑くなるし、窓付けのエアコンも避けたい。RC造のマンションは元々気密性が高いので、開口部を全て2重サッシにして気密性を更に高めた上で、「エアコン1台の空気を各室に循環させて、温度差の少ない家」を目指すことにしました。

個室が3室と小さめの書斎が1つ。これらを南側LDKの壁掛エアコン1台と、換気機器などで各部屋に間配ります。

書斎は壁の上部をオープンとし、エアコンの風を直接取り入れる小窓を設置しました。


LDKに面する個室は、エアパス用ファン(扉の左側)で空気を直接送ります。

LDKから遠い2室へは、換気扇とダクトで空気を直接送る計画としました。

LDKの換気扇。白いパネルで隠しています。

北側2室の吹出口から、LDKで吸い込んだ空気を出します。

ダクトの経路は収納の天井や床下などのスペースを利用しています。

できるだけ邪魔にならないところを、保温ダクトのスペースとして利用しました。

お引渡しは真夏でしたが、お引越し後、大変嬉しいお知らせをいただきました。
「…酷暑の中でもエアコン1台で快適に過ごしております。家中に柔らかい冷風が巡っていて、エアコンが2台付いていた旧居よりも断然過ごしやすいです。」

ゆっくり空気を循環させて温度が均一になる空調計画なので、直接エアコンの風にあたるのが苦手という方にはおススメです。部屋ごとにエアコンを付けなくても、工夫次第で快適な家をつくることができます。